こんにちは、かすがい皮膚科です。
今回は『肌と生活習慣』についてお話しようと思います。なぜ生活習慣?と思われるかもしれませんが、4/2のブログで紹介したように皮膚は人の最大臓器です。その皮膚の美肌のためには生活習慣が大きく関係しているのです。
【睡眠】
美肌への早道は睡眠といわれています。とくに眠りはじめの約3時間の深い眠りに成長ホルモンの分泌が盛んになり、この成長ホルモンによって食事でとった栄養を吸収し細胞が活性します。とくに午後10時から午前2時は肌のゴールデンタイムといわれていますが、これはあくまでも目安です。大切なのは熟睡できたかどうかです。
直前まで携帯電話を使用していると画面からでるブルーライトの影響で睡眠を安定させるメラトニンが分泌されにくくなります。眠りにつく前の携帯電話の使用は避けるようにしましょう。また、照明も夜は暖色系の明かりにして、寝るときは照明を消すようにしましょう。
忙しくて睡眠不足がつづいたあと、不足を補う意味で長く寝ることはできます。しかし、これから忙しくなるので、今のうちに寝ておこうという「寝だめ」はできません。体調を維持するには睡眠中に分泌されるホルモンが欠かせません。寝だめをしてもホルモンをためておくことはできません。また、睡眠不足だからといって休日に何時間もダラダラ寝ているのもおすすめできません。生活のリズムが乱れ体調をくずす原因となりますので注意しましょう。
【食事&飲み物】
美肌のための食事や飲み物というと、ビタミンを意識した野菜やフルーツなどを連想しがちです。でも、栄養素は単独で作用するものではないため、特定の栄養素ばかりたくさん摂取するのではなく、さまざまな栄養素を3食バランスよく摂取することが大切です。
ここで注目したい3つの栄養素はビタミンA、タンパク質、ビタミンCです。
[ビタミンA]
ビタミンAは抗酸化作用があり、肌や粘膜を正常に保つといわれている栄養素です。植物性食品の中ではβ-カロチンとして存在し、身体内でビタミンAとして働きます。ほうれんそう、にんじんなど緑黄色野菜やレバーに多く含まれます。ビタミンAはこまめに摂取する必要がある水溶性のビタミンCなどとは違うため、非常にとりやすいビタミンです。ただし、とりすぎには注意しましょう。
[ビタミンC]
抗酸化作用があり、コラーゲンの生成に必須である栄養素です。また、美肌には欠かせない鉄の吸収を高めてくれます。レモンはもちろん、ピーマン、パプリカ、アセロラ、ケールやブロッコリーにも多く含まれます。フルーツではいちごやキウイに多く含まれます。ビタミンCは必要以上に体内に入ると、尿として排泄されてしまうため、毎日適量を摂取するのがいいでしょう。
[タンパク質]
肌をつくる根本的な栄養素です。タンパク質やビタミンなどの栄養素をバランスよく取りいれることで、健康な肌がつくられるのです
タンパク質が摂取できる主な食品は肉や魚です。また、卵や乳製品、大豆製品もおすすめです。脂質のとりすぎを心配する人もいますが、調理法を蒸したり、ゆでたり、ソテーしたりと工夫するのも1つです。
【カフェイン】
カフェインについてですが、コーヒーや紅茶、緑茶などに多く含まれています。
カフェインは覚醒作用や鎮痛作用、疲労回復効果があります。
しかし神経を興奮させ、血液収縮作用もあるため、とりすぎは身体にも肌にもよくないです。カフェインを含むものは1日2杯を目安とし、夜や就寝前は避けましょう。眠りが浅くなってしまいます。
栄養ドリンクにも入っていることが多いので摂りすぎには注意しましょう。
【運動】
美しい肌は健康な身体があってこそです。健康の維持に欠かせない運動には、さまざまな効果が期待できます。たとえば、脂肪燃焼による体重減少、心配機能の向上、筋力アップ、ストレス解消、生活習慣病の予防と改善などがあります。運動不足に陥るとこれと逆の状態が起こってしまいます。
ウォーキング、水泳、ランニングなどの有酸素運動、短距離走や筋力トレーニングの無酸素運動、柔軟体操などのストレッチなどがありますが、いずれも無理して行うと逆効果となるので注意しましょう。適度な運動の目安は、「心地よい」かどうかです。
【入浴】
入浴することで肌を清潔に保つことは大切なことですが、同時に疲労回復やリラックスなど、多くの効果があります。シャワーだけで済ますのではなく、お湯につかると身体は温まり血行がよくなり新陳代謝が高まります。自律神経のバランスも整えることができます。また、浮力が働くため重力から解放され筋肉がほぐれます。しかし熱いお風呂は皮膚にとってはよくないのでお湯の温度は注意しましょう。湯温は、38度〜40度くらいがおすすめです。
ニキビや脂漏性皮膚炎のように生活習慣も大きく影響する疾患もあります。薬を使用するのはもちろんですが、生活習慣の見直しも重要なポイントとなります。
改善できるところから始めてみましょう!