ハイドロキノンの正しい知識
美白やシミの治療で皮膚科などで用いられることが多いハイドロキノン。
名前は聞いたことがあっても、実際にどのようなものか知っていますか?今回ハイドロキノンについて説明します。
Q.ハイドロキノンとは?
A.ハイドロキノンとは、細胞にシミの原因のメラニン色素を抑え、メラノサイトというメラニン色素を作る細胞そのものを減少させる成分です。もともと肌の細胞には色素細胞といつ細胞が存在します。この細胞に細胞に紫外線が当たると、紫外線から肌を守るといる目的で、シミのもとになるメラニンを作り出すという特徴があります。ハイドロキノンは、紫外線が色素細胞に当たった際にメラニンを作るチロシナーゼという酵素を抑制する働きがあり、この酵素が抑制されることによってメラニンの生成を抑制します。そのため、シミ予防だけではなく、すでに肌に沈着したシミを減少させる効果が期待できます。簡単にいうと、シミの漂白剤のような役割をしてくれます。シミを薄くし、さらにシミを予防します。
ハイドロキノンは、イチゴ類、麦芽、コーヒー、紅茶など天然にも存在する成分です。還元作用があり写真の現像に使われます。現像していた人の肌が白くなったことから美白作用のあることが発見されました。ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素の合成を阻止する働きがあり、その美白効果はコウジ酸やアルブチンの数10~100倍と言われています。
Q.どんな時に使われるの?
A.特にシミやニキビ跡の色素沈着、レーザー後の色素沈着に対して効果が高く、非常によく使われています。ハイドロキノンは、浸透性があまり高くないので、ピーリング等の施術や、ビタミンCローション、トレチノインなどの化粧品を合わせて使用していただくとより浸透して効果が高くなります。
Q.どんなシミに効果があるの?
A.①肝斑
額や頬、目や口の周りに左右対称に現れるシミの一種です。原因は不明ですが、女性ホルモンのアンバランスなどが原因と考えられています。
レーザー治療では治らず逆に悪化して色素が沈着してしまうことがあるので、ハイドロキノンなどの外用薬や内服薬が使われます。
肝斑は、摩擦と紫外線に反応しやすいので日常的に予防することが必要です。
②雀卵斑 そばかす
両頬や鼻の上にメラニン色素が異常増殖または色素沈着することによって起こる褐色の小さい斑点がたくさん散財するものを言います。
一般的にそばかすと呼ばれています。紫外線を浴び続けていると色が濃くなったり、数が増えたりします。
③炎症後色素沈着
ニキビ跡の色素沈着の改善やレーザー後の色素沈着の予防に多く使われます。
④日光黒子、老人性色素斑 シミ
主に中年以降の人の顔や手の甲、前腕など日光に長時間当たる部位によく発生します。男女ともに見られます。
Q.副作用は?
A.人によってはかぶれたり、皮膚への刺激が起こることがあります。数人に一人はハイドロキノンのアレルギーで使用ができません。赤みや刺激、腫れ、かゆみ、アレルギー症状、色素沈着、色抜け、乾燥等の疑いがある場合はすぐに使用を中止して受診してください。
Q.使用する際の注意点は?
A.ハイドロキノンを塗布した部位を、無防備に日光を浴びると色素沈着を起こす場合がありますので、朝に塗布した場合は必ずSPF30以上のUVケアをしてください。行楽などで長時間外にいる場合は、朝の塗布を避けて、夜のみ塗布してください。
高濃度のハイドロキノンを用いるときには、遮光する必要があります。シミや色素沈着以外の部分に長期間使用し、紫外線を浴びてしまうと白抜けを起こすことがあります。必要のない部分への塗布は避けましょう。
海外では、動物実験(ラット)での発がん性が指摘されて注意喚起していたり、化粧品の原料としても使用を禁止している国もあります。現時点ではヒトでは発がん性のと因果関係は明らかではないとされていますが、高濃度のハイドロキノンの使用に関しては医師の監視下で炎症症状の有無、遮光が守られているかなどをチェックする必要があります。
上記の副作用や注意点の必要点の必要性から、当院ではハイドロキノン製剤の化粧品は、診察を受けていただいたあとで購入が可能になっています。ハイドロキノンの使用方法や、使用期間などをカウンセリングで提案させていただいております。
副作用や、使用上の注意点をご理解していただいた患者様に使用していただくためです。ご理解の程よろしくお願いいたします。
かすがい皮膚科で購入できるハイドロキノン製剤
・DRX® HQブライトニング®3ml(約20日分) 2,200円(税込)
・ゼオスキンヘルス® ミラミン®80ml 13,200円(税込)