色々な虫たちが活動する時季になりました。
その中でもマダニにご注意ください。
【マダニとは…?】
日本ではマダニ類が46種類ほど知られており、成虫の体長は2~8mmの大型のダニ類です。
マダニは主に林の中やその周囲、あるいは河川敷などに見られ、草やササなどの葉に付着して待機しています。
そこに動物やヒトが通ると、その体や衣服に乗り移ります。そして体表面を動き回って吸着する部位を探し、口器を皮膚に刺入して吸血を開始します。その後、吸血に伴って徐々に腹部が膨らみます。そして、幼虫で約3日、若虫で約7日、成虫では10日から14日間くらい皮膚に吸着し続けて、十分に吸血して満腹(飽血)すると自然に脱落します。
皮膚症状として、刺咬部位周囲に紅斑や浮腫、出血、水疱が出現します。自覚症状があっても軽度です。
マダニに噛まれるとマダニを媒介して生じるライム病や日本紅斑熱などに注意する必要があります。
ただし、全てのマダニがウイルスや細菌を持つわけではないので、必ず感染症になるわけではありません。
吸着したマダニは早めに除去することが望ましいでしょう。皮膚科では特殊な道具を使ってマダニの口器やカラダの一部が残らないよう取り除きます。
マダニに噛まれたら無理に自身でひっぱって除去せずに、病院へ受診しましょう。
【マダニに噛まれない対策として】
《身を守る服装、行動が大切です》
・草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)
・足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、
帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。
・服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。
・虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。
・屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
厚生労働省HPマダニ媒介感染症
病気が見えるVol.14