光老化とは何か
~肌の老化、その約80%は紫外線が原因と言われています~
今回は、美容および皮膚の健康において非常に重要なテーマである「光老化」についてご紹介します。年齢とともに、シミ・しわ・たるみなどの肌の変化が気になってくる方は多いかと思います。しかし、これらの変化はすべてが加齢による「自然な老化」だけに起因しているわけではありません。実際には、約80%が紫外線による「光老化」だとされています。
光老化とは
光老化とは、太陽光に含まれる紫外線(UV)を長年にわたり浴び続けることにより生じる皮膚の老化現象です。自然な加齢による老化(自然老化)とは異なり、光老化は日々の対策によって予防可能であるという点が大きな特徴です。肌の老化の原因は、自然老化が20%、光老化が80%ともいわれており、紫外線対策の重要性がここにあります。
自然老化と光老化の違い
皮膚の老化には、【加齢による自然老化】、【光老化】と大きく2種類あると言われています。それぞれの違いを知っておくことで、今後のスキンケアや紫外線対策に役立てることができます。
1.シミの違い
光老化によってできるシミは、濃く、色むらがあり、大きさも不均一なのが特徴です。
一方、自然老化によるシミはほとんど目立ちません。
2.しわの違い
光老化では深く刻まれたしわができやすく、年齢より老けて見える原因に。
自然老化では、細かいしわが中心で、比較的目立ちにくい傾向があります。
3.肌の厚み
光老化の肌は、厚くなってごわつく傾向があり、肌触りにも違和感が出やすいです。
反対に自然老化では、萎縮して薄くなることが多く、乾燥や敏感肌の原因になることも。
4.肌の色
光老化の肌は、黄色や褐色に変色しやすく、くすんで見えがちです。
それに対して、自然老化では白色を保つことが多いです。
5.老化が起こる場所
光老化は、太陽光が直接当たる部位、顔・首・手などに現れることが多いです。
対して自然老化は、太陽光が当たらない部位にも同じように現れるのが特徴です。
紫外線(UV)について
紫外線はその波長の違いにより、UVA・UVB・UVCの3種類に分けられます。UVAは波長が長く、窓ガラスも透過して皮膚の深部(真皮)にまで達します。これがしわやたるみの主な原因になります。UVBは主に夏季に強く、肌の表面に作用して日焼けや炎症を引き起こし、シミやそばかすの原因となります。UVCはオゾン層によって遮断され、通常の生活では影響を受けることはありません。紫外線は一年中存在しており、肌の内部で徐々にダメージを与えていくため、季節に関わらず継続的な対策が求められます。
フリーラジカル(活性酸素)の影響
紫外線を浴びることで、肌の内部では「フリーラジカル(活性酸素)」という非常に不安定で反応性の高い物質が発生します。この活性酸素は、肌細胞やコラーゲンを酸化させ、結果としてシミ・しわ・たるみなどの光老化を引き起こします。切ったリンゴが時間とともに茶色く変色したり、金属がさびたりする「酸化反応」が、肌の内部でも静かに進行していると考えるとイメージしやすいかもしれません。本来、体にはこの活性酸素を無害化する機能が備わっていますが、紫外線の過剰な浴びすぎやストレス、喫煙、加齢などの要因が重なると、その処理能力が追いつかなくなり、肌のダメージが加速してしまいます。
抗酸化ケアのすすめ
光老化の原因となる活性酸素から肌を守るには、「抗酸化作用」を持つ成分を積極的に取り入れることが効果的です。スキンケアでは、ビタミンC、ビタミンE、ナイアシンアミド、アスタキサンチン、フラーレンなどが推奨されます。また、トマトやスイカに含まれるリコピン、ブルーベリーのポリフェノール、アボカドやナッツ類のビタミンE、緑黄色野菜のβカロテン、ダークチョコレートのカカオポリフェノールなど、食事からも抗酸化力を高めることが可能です。
まとめ
光老化は、自然老化とは異なり日常的な対策によって十分に予防可能な老化現象です。紫外線を「浴びない」、また「防ぐ」、さらに「抗酸化ケアで中和する」ことが、美しい肌を長く保つための基本となります。本記事を通して、紫外線や光老化への理解を深めていただき、将来の肌を守る一助となれば幸いです。
