2024年診療報酬の改定により、10月から薬に対する仕組みが変更になったこ とはご存知でしょうか。「令和6年10月から後発医薬品(ジェネリック医薬品)が あるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、薬局で特別の料金をお支払いいただ きます(厚生労働省HPより引用)」当院で処方されるお薬の中にも、一部該当す る医薬品がございます。当院ではお薬をを大切にまた効果的に使用していただきたいと考えて おります。しかし、大切に使用するといっても、過去に処方された古いお薬は雑菌が繁殖したり、分離したり、空気に触れて酸化してしいます。3ヶ月をめどに破棄しましょう。また、過去の症状 と似ているから、繰り返すからといって自己判断で薬を使用することは副作用の観 点からも適切ではありません。しっかりと診察を受け診断されてから、症状にあっ たお薬を使用するようにしましょう。 そして、お薬の効果を最大限に出すためには、用法容量を守ることが大切です。 かすがい皮膚科では、初めて使用するお薬は実際に塗りながら外用指導をしていま す。外用指導ではどうのように塗るのか、また量や範囲を確認しています。塗るだ けではなく、重層療法をいってガーゼで貼る場合も実際に貼って指導しています。 方法に不安がある場合や、塗る範囲の判断に困る際はぜひご相談ください。 次に用法容量通りに使用できるようにするご提案です。 1内服薬の用法には、食前や食後、空腹時という方法が主です。空腹時とは、食前 1時間前・食後2時間後のことを指します。朝食を摂る方は、朝食までに1時間ある ようでしたら起きてすぐに飲むという方法も良いでしょう。もし、朝食を摂らないという方でしたら、起床後に飲んでいただけます。当院で処方する空腹時 に内服する薬にビラノアODという抗ヒスタミン薬があります。OD錠とは、口腔内 崩壊錠といい口の中の唾液や少量の水で速やかに溶け飲み込みやすいことが特徴で す。この特徴を活かし起床時にすぐ飲むことも可能ですし、夕食から時間が経って いれば就寝の直前に内服するという方法できます。他にも、昼食から夕食まで時間がある方は、その時 間の間に内服も良いでしょう。その際多くの方は、仕事や学校で自宅外にいるとい うことも想定されます。そのため、高温多湿環境を避けバッグに入れて持ち歩く、 仕事のデスクに置いておくなど、自分の生活スタイルの中で、いつが用法の条件に あうかを探してみてください。他の食前食後の内服薬も同様に、お弁当持参ならお 弁当箱と一緒に昼食分の薬も準備しておく、昼食を摂る場所に昼食分は置いておく な、自宅ではコップやグラスを収納しているスペースに一緒に保管するなどご自身の環境に合わせてみてください。また、お薬カレンダーやアプリなどの活用も有用 です。 外用薬の用法は1日に1回や2回という回数が決まっているものが大半です。 特に、1日に2回外用するという外用薬が多いのですが、体など広い範囲にぬる場 合、基本的には夜の入浴後に1回、朝の更衣時に1回をご提案しています。お腹や 背中などの普段衣服で覆われている部分に外用する際は、衣類を身につけていない タイミングに合わせることで負担なく生活に取り入れることができるからです。そ のため、脱衣するスペースにお薬を置いておくか、入浴前に薬を移動させておきま しょう。朝更衣するスペースにも同じく置いておくか、移動させやすいように巾着 袋や小さなカゴにまとめておくといいでしょう。また、日によって外用する薬が違 う方は薬袋に書いてある用法に加え薬のカップ自体にご自身のわかりやす言葉(塗 る曜日など)を記入することもしっかり外用できるコツです。また、手の届かない 背中などは専用の器具の取り扱いもございます。 今回ご紹介した方法はほんの一例です。生活スタイルや環境が十人十色なよう に、同じ用法の薬でもそれぞれスタイルが異なります。使用する薬や用法容量は医 師の指示により決定しますが、効果を最大限にだすため用法容量を守れるようにご 自身の生活とうまく共存させていくことが大切です。 もしお薬の使用法でお困りのことがございましたら、ご相談ください。 また、薬個別の注意があることもありますのでご確認ください。基本的には高温多湿直射日光を避け、小さい子供の手の届かないところに保管するようにしてください。