以前(2024.3.22)にも、『問診には理由があります』というブログを投稿しましたが、今回は続編として「ブツブツ蕁麻疹が出た」という主訴に対しての問診についてお話します。問診の必要性やWEB問診のメリットは、以前のブログも併せてお読みいただくとより理解が深まります。
「ブツブツ蕁麻疹が出た」という場合は、実際に蕁麻疹の場合と、蕁麻疹ではない別の発疹の場合があります。そのため、まずブツブツ(膨疹)や赤みが24時間以内に消失するか、痒みがあるかを問診します。また、いつから症状が始まったのかしばらくの期間同じ症状を繰り返しているかどうかも、併せて問診します。
蕁麻疹は、原因不明な場合が7割をしめていますが、突然出現します。ブツブツした物だけではなく、地図のように見えることもあり、消えた後は何も残さないことが大きな特徴です。ずっと痒いブツブツが出続けているという場合には蕁麻疹ではないこともあり、実際に患部を診察し、追加で問診をさせていただく場合があります。追加の問診では、摂取しているサプリメントや健康食品、最近変更した常用薬がないか、数週間以内に風邪など体調不良はなかったかをうかがいます。そこから、別の疾患との鑑別を行なっていきます。
蕁麻疹と診断された場合は、治療は主に抗ヒスタミン薬の内服のため、職業や日常の運転の有無・妊娠授乳の有無を確認し、内服していただく薬を決めていきます。
次に、帯状疱疹の問診についてです。近年インターネット環境の普及により、手軽に情報を得ることができるようになりました。そのため、症状を検索することでおおよその診断予測を立てて受診される方もみえます。そのため、帯状疱疹だといけないと思って似た症状が出ているので来院したという場合もあります。実際の問診では、皮疹が出る前に痛みやいつもと違う感覚がなかったか、皮疹の出ている場所は片側かどうか、ジュクジュクしているか瘡蓋になっているか、痛みの程度を問診していきます。これらは帯状疱疹の特徴的な症状です。問診に加え、検査を行い確定診断がされます。帯状疱疹と診断されると、免疫機能が低下してる時に発症しやすくなる疾患のため、疲労度の自覚や治療中の病気、基礎疾患の有無について再度確認します。また、痛みよって夜間睡眠を妨げていないか、発症部位の神経症状がないかを確認します。日常生活の指導のため、職業や同居している方についてもうかがうことがあります。帯状疱疹は、水痘を発症するウイルスの再活性化が原因で発症しているため、水痘に罹患したことのない方に接触すると、その方が水痘を発症する可能性があるためです。学校や職場に行くことはできますが、適切な処置を行う必要があります。
このように、「ブツブツが出た」という主訴であっても、いつ・どこに・どんな症状なのかを詳しくうかがうことで、鑑別診断を行なっていきます。また、問診・診察した上で必要時検査をすることで確定される疾患もあります。診察で診るという情報のほかに、症状が出る前の情報や自覚している感覚の情報や検査によって得られる情報は診断や治療、治療中の日常生活にとても大きな意義があります。お忙しいところお手数ではございますが詳細な問診にご協力をお願いしたします。 診察室にて追加で問診をさせていただくこともありますが、事前のWEB問診にご協力いただけますと待ち時間の短縮にもつながりますのでぜひご活用ください。