新年度になり、入学式や入社式など大切なイベントが増える時期となりました。そんな大切な時期なのに、なんだかお肌が荒れてしまうという方もいるのではないでしょうか。それはもしかすると花粉が原因かもしれません。

花粉ときくと、まずイメージするのがくしゃみ、鼻水、目の痒みなどの花粉症の症状が多いかと思います。
しかし、花粉が原因で起こる症状は他にもあるのです。
それが、花粉が皮膚に触れることでかゆみを起こす花粉皮膚炎です。

花粉皮膚炎とは、花粉が皮膚に触れることで皮膚に炎症やかゆみを引き起こす疾患です。

特に顔や瞼、首などの露出していて花粉が触れやすい部分に症状が現れることが多いです。春になると目の周りや顔が赤くなる方はもしかしたらこれが原因かもしれません。

では、どうして花粉に触れると炎症が起こるのでしょうか。

花粉はアレルゲン、つまりアレルギーの原因となる物質のひとつです。
そもそもアレルギーとは、通常は無害な物質に対して過剰に免疫反応が起こる疾患です。
例えば花粉症では、スギ花粉などのアレルゲンを感知した時に、鼻水やくしゃみで入ってきた花粉を外に追い出そうとする反応が起こります。

花粉皮膚炎の場合は、皮膚の持つバリア機能が低下しアレルゲンなどが侵入しやすくなることで起こります。

そして肌から入ろうとする花粉を追い出そうとして湿疹や痒みなどのアレルギー反応を起こすのです。
特にアトピー性皮膚炎の方や乾燥肌の方はバリア機能が低下しているため、表皮に隙間ができるため花粉が皮膚から入りやすい状態となっています。

そんな花粉皮膚炎からお肌を守るための対策をご紹介します。
・スキンケアは念入りに。化粧水だけでは不十分なので乳液・クリームも使い保湿をしてバリア機能を高める
・花粉が皮膚につかないようにマスクやメガネなのど、皮膚を覆うような服装をする
・外出から帰ったら皮膚についた花粉を早めに洗い流し、常に清潔な肌を保つ。特に帰宅後すぐに洗顔していただくのがおすすめです。
・花粉の多い日は外出しないようにする
・洗濯物は部屋干しにして外に干さない
・外出から帰ったら上着についた花粉を落としてから家に入る

大切なこの時期に安心して過ごしていただけるよう、対策を始めてみてください。また、すでに症状にお悩みの方はぜひ医療機関へご相談ください。