巻き爪になってしまい痛みがあるという方へ、当院で行なっている巻き爪治療についてご紹介です。
基本的に巻き爪は自然には治らないものです。放置するとさらに巻き爪が強くなったり爪周りの炎症に繋がることもあるため、治療をご希望の方は一度受診していただくことをおすすめします。
巻き爪自体を治す治療は自費診療になります。当院でも形状記憶合金を使って治療を行なっております。
当院で巻き爪治療に使っているのは『巻き爪マイスター』と『リネイルゲル』です。
◯巻き爪マイスターのはたらき
巻き爪マイスターはコイルばねになっており、バネの両端にはU字のフックが付いています。このUフックを爪の両側縁に引っ掛け、コイルばねに内蔵された超弾性合金ワイヤの弾性力を利用して、爪の彎曲を矯正していきます。
治療には個人差があり、重度の巻き爪の方では3ヶ月以上かかる場合もあります。装着後は定期的なメンテナンスが必要です。
以下の注意点があります。
・巻き爪マイスターに関わる治療の診療(装着・メンテナンス・外れてしまった場合の対応)は平日午前のみになっております。
・入浴は可能ですが、巻き爪マイスターはステンレスであるため、錆びる可能性があります。温泉への入浴や海水浴の際は錆を防ぐために最後に水道水で装着箇所を洗ってください。
・靴下などを脱ぐ時に取れやすいです。剥がれないようにテープでの固定が必要になります。
・紛失した際は再度購入になります。
・定期的に受診していただき、メンテナンスが必要です。
・運動は問題ありませんが、サッカーや水泳など、装着した爪に負荷がかかるような激しい運動はできるだけ控えてください。
・ジェルネイルは控えてください。ただし
、爪を丈夫にするためのトップコート等のネイルは問題ありません。ただし、ネイルが剥がれたり割れたりはしやすくなります。
巻き爪マイスターは爪が伸びていないと装着できません。巻き爪マイスターでの巻き爪治療をご希望の方はある程度爪を伸ばしてから受診していただく事をおすすめします。
また、巻き爪マイスターと一緒に併用する事で治療効果を上げる『リネイルゲル』という外用薬があります。
リネイルゲルは、国内初となる「巻き爪矯正の補助」を適応とした、巻き爪マイスター等の爪矯正具と一緒に使用する薬剤です。
1週間から1ヵ月で効果が期待でき、巻き爪の再発までの時間の延長が期待できます。
◯リネイルゲルのはたらき
リネイルゲル(有効成分:アセチルシステイン)は、爪の中に浸透して一時的に組織の結びつきを外すことで、巻き爪の矯正治療をサポートするお薬です。
爪はケラチンという成分が固く結びついています。リネイルゲルがその結びつきを外して爪が柔らかくなります。軟らかくなった爪に矯正具が働くことで、治療期間を短くすることが期待できます。薬剤を除去後、矯正された状態で、再び結びつくことで、再発までの期間を延ばすことができます。
リネイルゲルのみでは、巻き爪を矯正する効果はありません。
◯治療の流れ
①診察を受けていただき、巻き爪マイスター等の爪矯正具を先に装着します。
② マスキング剤で爪の周りの皮膚を保護し、リネイルゲルを爪に塗布します。
③被覆材を貼付し薬剤の漏出を防止します。
④ 装着から約24時間後に、爪矯正具は装着したまま、マスキング材および被覆材を剥がして、薬剤を水またはお湯で洗い流します。
◯注意事項
※ 保護テープを剥がすまでは、本剤の漏出を防ぐため、患部を濡らさないようにしてください。
※ 薬剤を洗い流す際爪周辺や手指に本剤が残らないように、水または湯で十分に洗い流してください。
※リネイルゲルを塗布して24時間までの間に水に濡れてしまったり、テープが外れてしまった場合はリネイルゲルが漏出し周囲の皮膚を刺激するおそれがあるため、マスキング材・被覆材をはがして水や湯で洗浄してください。
◯費用
リネイルゲル 1回 4,400円(税込)
巻き爪マイスター1本 6,600円(税込)
初診料 2,200円(税込)
再診料 1,650円(税込)
巻き爪などの爪トラブルを未然に防ぐために日頃からご自身で出来ることは正しく爪を切ることです。
足の爪の長さは指先と同じくらいにそろえ、全体的な形は角に少し丸みのある四角形に整えるのが理想的です。このような形を「スクエアオフカット」といいます。短く切りすぎた「深爪」や、端を斜めに深く切り込んだ「バイアスカット」は避けましょう。陥入爪(かんにゅうそう:爪の先端が周囲の皮膚に刺さって炎症を起こしている状態)の原因となるほか、爪が短すぎる状態が続くと、巻き爪や厚い爪などの変形が起こる可能性もあります。反対に長すぎる爪は靴による圧迫など余計な力を受けやすいため、痛みや変形が生じる原因になります。足の爪には歩く時に強い力が加わるので、ちょうど良い長さと形にいつも整えておくことが大切なのです。
巻き爪治療は自費治療となります。巻き爪であっても、重度の陥入爪や短く切り過ぎた爪、爪白癬により脆くなっている場合などはすぐに矯正治療を実施出来ない可能性もあります。気になる方はまず診察にお越しください。