季節の変わり目で、ここ数週間は様々な症状の方が受診されています。
今回は、クリニックでよくあるやりとりについてまとめました。 是非、参考になさってください。
・ヒートテックのような機能性インナー着ると痒くなるような。。
→ 冬の寒さ対策に着る機能性インナーは、水分を吸収し繊維が発熱することで暖かくなるという仕組みです。冬場の元々水分が少ない肌から、更に水分が吸収され肌が乾燥しやすくなります。しかし、インナーの水分吸収量には限界があり、運動や寒暖差などで急激にたくさん汗をかいた場合、吸収しきれなかった汗で蒸れやすくなります。それらが、痒みの原因になります。 また、機能性インナーに用いられるポリエステルやレーヨン、アクリルなどの化学繊維は摩擦、静電気の刺激が起きやすくかゆみが起こることがあります。機能性インナーを着る場合は、綿素材の肌着の上から重ね着をするようにしましょう。綿は吸湿性と放湿性に優れ、保温性も高い素材です。また、繊維の表面ががらせん状になっており、肌触りがよく、静電気も起きにくいという特徴があります。素肌のすぐ上に着る肌着は綿のものがおすすめです。
・朝は泡洗顔してません
→ 朝は忙しいから洗顔できない、もしくは水やぬるま湯のみで洗顔されている方がおられます。 しかし、就寝中に分泌された汗や皮脂、ほこりなどが肌に付着しているため、それらを洗い流すことが必要です。また、就寝前のスキンケアで塗った化粧水やクリームが時間が経つと酸化してしまい、毛穴の黒ずみや肌荒れの原因となります。 皮脂汚れやクリーム類は、水やぬるま湯といった水分だけでは落としきれません。また肌に汚れがついている状態では、化粧ノリも悪くなります。そのため、洗顔料を使って汚れを泡で優しく落とすことがおすすめです。 特にニキビや脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎など、お顔のトラブルをお持ちの方は皮脂を適切にコントロールする事で症状もコントロールしやすくなります。
・子どもの肌がガサガサしてる。特に痒がってはないけど肌荒れ?スキンケアはしていませーん︎
→ 顔の「肌荒れ」と言われて受診されるお子さんでスキンケア(洗顔・保湿)をされていない子は、古い角質や汚れが溜まりそれらが肌のゴワつきやガサガサ・乾燥の原因になっています。いずれもスキンケア不足の時に起こる状態です。 こういった場合、ほとんどの子は適切なスキンケアをすることで症状が改善します。 適切なスキンケアとは、ズバリ洗浄と保湿です。 ①朝晩2回の泡洗顔 ふわふわに泡立てた洗顔料で、こすらず優しく洗顔しましょう。 ②保湿 洗顔後は化粧水・乳液もしくは化粧水・クリームで保湿をしましょう。小学校高学年くらいの方は、自分でできると良いですね。まだ小さいお子さんは、乳液かクリームだけでの保湿でも構いません。 使うスキンケアアイテムとしておすすめなのが、 ◎ADパーフェクトバリアフェイスミルク 1980円(税込)です。 (特徴) ・水分の蒸発を防ぐ「ワセリン」 ・潤いを与える「グリセリン」 ・天然由来の乳化剤「レシチン」 を配合しています。 ヒアルロン酸も配合されており、サラサラの使用感です。 無着色・無香料・アルコールフリー・低刺激性・ノンコメドジェニックテスト済みで小さなお子様から大人までご使用いただけるお肌に優しいクリニック専売品の保湿剤です。ロート製薬研究所が行った肌水分量の変化では、潤いが8時間続いた結果も出ています。
・頭洗った後は面倒なのでドライヤーはしません。
→お風呂の後、すぐにドライヤーをしないのはNGです。 ドライヤーを使わないと、髪や頭皮が長時間濡れた状態になってしまいます。濡れた状態が続くと頭皮で雑菌が繁殖し、頭皮のかゆみやフケの原因となります。 また、髪の毛にもダメージを与えてしまいます。ドライヤーをせずに、自然乾燥させていると、頭皮の血行不良にもなり、抜け毛や、薄毛の原因となります。髪の毛が乾く時に水分が蒸発して気化していきますが、その際に熱を奪われて一時的に頭皮が冷えてしまうからです。血行不良になると、髪に十分な栄養がいかなくなってしまします。 髪の毛の短い方でも、お風呂を上がったらすぐにドライヤーで乾かすようにしましょう。赤ちゃんも、髪の毛がある子はしてあげましょう。 ドライヤーをすることで、頭皮のかゆみやフケなどのトラブルが減ります。
・足の爪は爽やかに短くしています!
→足の爪を短くしすぎるのは、巻き爪などのトラブルの原因となります。 特に、足の爪は角を切り落として短くしてしまうことで、爪が皮膚に食い込んで炎症を起こします。炎症が長期間続くと、不良肉芽を形成し、治るのに時間がかかってしまいます。 足の爪は、短く切りすぎず、 ①白い部分を1〜2mm伸ばし、皮膚の部分が隠れるようにする ②爪の両サイドの角を残す ③スクエア型になるように、まっすぐに切る ようにしましょう。
・塗り薬1日2回の指示だけど、時間がなくて1回になってしまいます
→外用薬は、指示通りにまずは1日2回塗って、しっかり治しましょう。塗る回数が少ないと十分な効果が得られないためです。 特にステロイドの塗り薬は、長期間使用することで副作用が出やすくなるため、なるべく短期間で症状を改善するためにも、医師の指示に従って外用することが大事です。 症状が改善している場合は、塗る回数を減らしたり薬の変更のすることがあります。しかし、自己判断で、使用方法を減らしたり増やしたりす事は副作用がでるリスクが上がったり、症状の改善が遅れてしまいます。症状に変化があった場合や、再診の指示があった場合は受診して、必ず回数を守って使用しましょう。 アトピー性皮膚炎皮膚炎など慢性の疾患の場合は、長い期間外用する必要があります。そのため、仕事や学校などの予定が忙しく、思うように外用できない…と言ったお悩みをよくお聞きします。 そのような場合、外用する範囲を限定して症状の強い部分は確実に2回塗る、週末やお休みの日は2回塗るなどご自分のできる範囲で取り組むことをお勧めします。 塗り薬によっては、1日1回の外用のものや、1日頻回などのものもあります。 処方された薬と用法は、必ず確認して使用しましょう。塗り方などで、不明なことがある場合は、病院のスタッフや薬剤師になどに相談してください。