寒くなってきましたね。乾燥も気になる季節になりました。この時期に多い手あれについてお話ししたいと思います。
手あれは、進行性手掌角皮症といい、特に主婦、美容師、飲食店員、銀行員などによくみられる病気です。水仕事をよくしたり、紙幣をよく扱ったりするために、繰り返し指先に刺激が加わって起こるものと考えられています。
手荒れの進行の仕方は?
はじまりは、親指、人差し指を中心に軽い角化、乾燥、指紋の消失がみられます。
進行すると、ほとんど全部の指に広がり、乾燥、角化、落屑がみられます。手のひらにも拡大してきます。さらに進行すると、赤みやかゆみも伴ってきて、小さな水ぶくれやひび割れもみられ、手あれから手湿疹の状態まで進んでいきます。
どうして手あれになるのでしょうか?
一般に、皮膚のうるおい(水分量)は、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質という3つの物質によって一定に保たれています。
手、指では皮脂腺(皮脂を分泌する器官)が少なく、そのため皮脂膜も薄くなっています。そのかわり角質層が厚くなっていて、保護する役目を果たしています。
その角質層も、石鹸や洗剤などを使って頻繁に水仕事をしたり、指先をよく使ったりしたあとにお手入れをしないで放っておくと、水分が失われやすくなります。
そこへ、さらに指先に様々なものの摩擦刺激が加わると、厚い角質層は弾力を失い、ひび割れてしまいます。なので、手への刺激を少なくするような、普段からの心がけが予防には大切です。
また、他にも化学物質によるアレルギー性接触皮膚炎というのもあります。刺激で起こる手湿疹に比べて、紅斑や小水疱といった湿疹症状やかゆみが強いことが多いです。皮疹はアレルゲンが接触した部位から始まるため、指先や手背側などが好発部位ですが、アレルゲンが長く残りやすい指間や指の側面にもよくみられます。また、手だけでなくアレルゲンと接触した手首や前腕にも皮疹がみれることがあります。
日常生活で心がけることは?
・お薬を正しく使う・・先生の指示を守り、正しく使いましょう。
・刺激を避ける・・木綿の手袋などを着用して、直接刺激しないようにしましょう。水仕事の際には、その上からゴム手袋などを着用して直接洗剤に触れないようにしましょう。
・手を洗いすぎない・・何度も手を洗うと症状が悪化してしまいます。手を洗ったあとには、皮膚にうるおいを与えるハンドクリームなどを活用しましょう。
予防策をしても治らない場合は、診断・治療のために皮膚科専門医である当院を受診しましょう。
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