酒さは「赤ら顔」とも呼ばれ、鼻や頬、額などに赤み・ほてりなどの症状が出る病気です。皮膚の症状に加え、ほてりやヒリヒリ感などもみられます。30〜50歳代に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
酒さは症状により、3つの病型に分類されます。
第一度酒さ
・顔の赤み・毛細血管拡張(皮膚の下の細かい血管が見える)が認められます。また痒み・ほてり感があり寒暖差や飲酒で増悪します(赤ら顔)
第二度酒さ
・第一度の症状に加え、ニキビのような小さいポツポツや膿疱ができます。ニキビとは異なり、面ぽう(コメド)は見られません。
第三度酒さ
・鼻部分のポツポツが融合し凹凸不整の腫瘤状になり、毛孔は拡大し、みかんの皮様の皮膚になります。
酒さの対処法は「悪化因子を避ける、スキンケア、治療」の3つです。
酒さの原因は明らかになっていません。日光や高気温・低気温などの外部環境、精神的なストレス等や食べ物などによる体の内部環境、その他様々な要因が重なって発症すると考えられています。
酒さを悪化させる要因は、患者さんによって様々です。そのため、暑さ・寒さなどの生活環境、アルコールや香辛料など刺激の強い食べ物、化粧品など、日常生活で酒さとなる要因を避けるようにすることも大切です。
また、乾燥や紫外線から肌を守ることで悪化を最小限にとどめることが期待できます。洗顔はよく泡立て、優しく皮膚に刺激を与えないように洗い、温度は32~35℃のぬるま湯に設定します。スキンケア用品は高保湿・低刺激のものを選びましょう。当院のおすすめのスキンケア製品は以下のものになります。日焼け止めも適量しっかり塗りましょう。
また、ロゼックスゲルが酒さの治療薬として保健適応となりました。ロゼックスゲルの主成分には「メトロニダゾール」が使われており、抗炎症作用・免疫抑制作用により慢性の皮膚の炎症を抑えてくれます。1日2回、適量を症状の出ている部分にのばして塗ります。副作用として、皮膚の炎症・乾燥・かゆみなど、刺激感を伴う症状が出現することがあるため、その際は医師にご相談ください。
◎ロゼックスゲルを使用するときの注意点◎
・薬の効果が弱まるため使用中は紫外線を避けるようにしてください(効果が減弱することがあります)
・お薬の使用中は飲酒を控えてください(アルコールの代謝を妨げる可能性があります)
◎おすすめのスキンケア製品◎
➀セルニューシリーズ 2020.2.21ブログ参照ください
➁コラージュリペアシリーズ 2020.3.13ブログ参照ください
➂AZA(アゼライン酸クリーム)2020.8.7ブログ参照ください
※AZAは症状に応じての使用となります
酒さの症状は、治療を継続することで徐々に軽快していくことが期待できます。悪化因子により一時的に悪くなることがありますが、治療を続けることで改善が望まれます。
酒さでお悩みの方はお気軽にご相談ください。