胼胝(タコ)、鶏眼(魚の目)とは、摩擦や圧迫などの外部刺激が皮膚の局所に加わり続けると、防御反応としてケラチンをたくさん作り(角質増殖)、その部位を肥厚し刺激から守ろうとすることで胼胝・鶏眼が形成されます。
胼胝は刺激を受けた辺り全体の皮膚が黄色味を帯び、厚く硬くなって盛り上がったものを指します。指の付け根、指の先、中足骨部などにみられます。痛みは多少ありますが、感覚が鈍くなり違和感があります。
鶏眼は圧迫や歩行などに伴って、皮膚表面が厚くなっていくのではなく、皮膚の内側に向かって芯ができます。その角質の芯が神経を圧迫して痛みを生じるのが特徴です。
胼胝や鶏眼と、ウイルス性いぼは区別が難しいことがよくあります。ウイルス性いぼはうつる病気であり、治療法が全く異なるため「魚の目かな?イボかな?」と感じた際は、なるべく早く皮膚科を受診して下さい。
詳しくは以下ブログをご参照ください。
ウイルス性イボと液体窒素治療について | 豊田市の皮膚科【かすがい皮膚科】 (kasugaihifuka.jp)
◎治療法
・肥厚した部分を削り圧迫を軽減する
・スピール膏(皮膚を柔らかくする薬)を貼る
<スピール膏の使用方法>
1、固くなっているところよりも1、2mm小さく切りましょう。(スピール膏がズレることが多いので)
2、硬くなってるところに貼って、ズレないようにテープでしっかり固定してください
3、貼ったら2,3日はそのままにして下さい(ズレがなければスピール膏を貼ったまま入浴しましょう)
4、適宜ズレていないか確認し、ズレている場合は交換して下さい。ズレたままにすると周りの正常皮膚まで薄くなる可能性があるので注意しましょう
◎日常生活の注意点
窮屈な靴、長時間の歩行、足の変形、歩き方の異常、加齢や病気などに伴い脂肪組織が減少したり、浅い所に骨や関節があるなど、様々な要因で胼胝・鶏眼を生じます。このような圧迫因子を可能な限り除去することが大事です。体重のかかる部分や持続的に外力の加わる部分に胼胝や鶏眼は出来やすいため、歩き方の見直しをしましょう。足の裏は特になりやすい箇所であるため、厚めの靴下を選択したり、足の形に合った靴や中敷きを使いましょう。
圧迫の原因が除去されない限り、治療を続けても中々治らないばかりでなく、一度治っても再発することが多いです。
市販薬を使用している状態ですと診断がつかなくなったり、削るなどの治療が出来なくなることもあるため、受診時はお薬を使用せずお越しください。