当院には、体の皮膚のかゆみなどだけではなく、頭皮のフケやかゆみにお悩みの方も多く来院されています。
今回は髪の毛、頭皮をピックアップしてお話しします・
髪の毛は「毛包」と呼ばれる部分の深部「毛球」に存在する「毛母細胞」で作られます。毛母細胞が毛細血管から栄養や酸素を取り込み細胞分裂を繰り返すことで髪の毛が作られ髪が伸びています。
頭部の毛器官は触覚装置をして近く神経の補助的役割をもつ他に、外力や光線からの保護、高温や低温からの保温を担っています。
頭髪は約10万本存在しているといわれています。毛は毛周期と呼ばれる一定の周期をもって成長期・退行期・休止期の順で繰り返し移行しています。頭髪の場合であると頭毛は数年間(2~6年)成長を続けて(成長期:頭毛の約85%を占める)その後2~3週かけて退行し(退行期:頭毛の約1~2%を占める)数カ月とどまり(休止期:頭毛の約15%)そして同部位に新生毛が生じると休止期にあった元の頭毛は脱落します。成長期の頭髪は1日に0.3~0.5㎜伸びます。また、1日につき約100本抜けると言われています。
頭皮を健康に保つことによって、今お話ししたサイクルで頭髪が生えてきますが、何らかの原因で頭皮に痒みなどが生じてしまう場合があります。
頭皮のかゆみやフケなどのトラブルは抜け毛の原因にもなります。症状が出る原因は様々です。代表的なものを挙げていきます。
1⃣脂漏性皮膚炎によるもの
【症状】かゆみやフケがあります。頭は顔と同じで皮脂の分泌が多い場所です。皮脂の分泌が多くなった状態を脂漏をいい、脂漏になると紫外線やカビなどによって皮膚が炎症を起こすことがあります。慢性的に続くことが多いため、予防も必要となります。
【治療法】かゆみに対しては外用剤で治療します。また、抗真菌薬で予防することも必要となります。脂漏性皮膚炎は生活習慣によっても悪化するため、食生活に注意したり、ストレスを避けることも予防となります。抗菌剤入りのシャンプー・リンスを使用することで症状が改善される方もみえます。当院ではコラージュフルフルをおすすめしています。
2⃣アトピー性皮膚炎などによる湿疹
【症状】四肢や体と同じように頭皮にも指針が生じることがあります。頭皮をこすりすぎても湿疹が悪化するため注意しましょう。
【治療法】かゆみが強い場合は外用薬や内服で治療します。
3⃣あたまシラミ
【症状】園児や小学生の児童に多いです。毛髪にシラミ虫や卵が付着しており、かゆみを伴います。
【治療法】専用のシャンプーを使用します(薬局で購入してもらいます)。家族にもうつっている場合が多いため、一緒に治療していきます。
4⃣毛染めなどによる接触皮膚炎
【症状】毛染めの成分が皮膚に合わず、接触皮膚炎を起こします。頭皮だけではなく、付着しやすい耳や額にもかゆみを伴います。毛染め以外にも頭髪剤や育毛剤などによっても同じような症状がでることもあります。
【治療】かぶれてしまった毛染めなどを中止します。必要があれば外用薬で治療します。今までは使用していても問題のなかった毛染めでもかぶれてしまうことがあります。お困りの方はご相談下さい。当院では接触皮膚炎を起こしてしまった方でも使用していただけるようにアクセーヌの白髪染めをお取り扱いしております。〈アクセーヌ ナチュリエヘアカラーN〉
また毛染めなどで荒れてしまった方へは、アクセーヌのヘアケアシャンプー・コンディショナーの併用もオススメおります。
5⃣その他
尋常性乾癬や、白癬菌などによって頭皮の症状が出ている場合があります。皮膚科専門医での診断・治療が必要となりますので、症状がなかなか改善せずお困りの方は一度皮膚科専門医への受診をしてください
最後に頭皮のケア方法についてお話しします。普段の生活で頭皮のケアをすることが、かゆみや布目の予防にもなります。症状がない方でもやっていただけると健康な髪を育てることにもつながりますので是非やってみてください。
頭皮・毛髪のケア方法
➀低刺激のシャンプー剤を選びましょう。無添加などの表示のものは肌に合わない方も見えます。ご自身の肌にあったシャンプーを選びましょう。
➁シャンプーをする前に髪をブラッシングしましょう。
➂ぬるめのお湯で汚れを洗い流しましょう。
➃シャンプーを頭に直接つけるのではなく、手で泡を立てて洗いましょう。
⑤指の腹で頭皮をマッサージしならが洗いましょう。爪は立てないように気をつけましょう。
⑥最後にぬるめのお湯でシャンプーを十分に注ぎましょう。
⑦入浴後はタオルで水分をしっかりと取ります。ゴシゴシしないようにしましょう。そのあとなるべく早めにドライヤーでしっかりと乾かします。水分が残っているとカビが生えてしまう原因にもなります。
⑧枕カバーをこまめに洗いましょう。