あせもについて
6月に入り、気温も30℃を超える日が続き、夏がやってきましたね。
6月は湿気も多く気温も高いため汗をかきやすい季節です。
当クリニックでもあせもの患者さんが増えてきました。小さなお子さんからお年寄りの方まで数多くのあせもの患者さんが毎日来院されています。
“あせも”は誰もが一度は経験する病気です。医学用語では「汗疹かんしん」もしくは、「汗貯留症候群」と呼ばれます。多量に汗も伴って、汗を分泌する管(汗管)が詰まってしまい汗の正常な排出が汗で妨げられる事が原因です。汗が汗管内に貯留して、周囲の皮膚組織を刺激して発疹や小さな水疱ができます。これが“あせも”です。
あせもの治療は、発症する前の予防、発症後の悪化を防ぐためにスキンケアで清潔に保つことや汗をかかないような環境づくりが重要です。
まず自宅で出来るケアについては下記の通りです。
〈スキンケア〉
①汗をかいたら、なるべくすぐにシャワーで流しましょう。
②タオルで拭く時は渇いたものではなく、濡れたガーゼややわらかいタオルで優しく拭きましょう。
③乾燥している肌に汗をかくとより痒みを伴うので、日頃から保湿を心がけましょう。
④汗をかいたらそのままにせず、着替えをこまめにしましょう。
⑤入浴時はぬるめのお湯に首まで浸かりましょう。
〈汗をかかない環境を作る〉
①高温多湿を避けましょう。暑い日は、エアコンを使いましょう。
②通気性のよい服装を心がけましょう
③綿のシャツ1枚で過ごしましょう。下着はなるべく着ないようにしましょう。
④赤ちゃんはロンパースは蒸れるので、なるべくセパレートタイプを着せるようにしましょう。
⑤おむつはこまめに取り換えてあげましょう。
お子さんは、大人よりも体温が高く汗もかきやすいです。大人が「寒いかな?」と心配になってたくさん着させすぎてあせもになってしまうお子さんもたくさんいます。小さな赤ちゃんは「暑い」と伝えることができないため、あせもにもなりやすいです。大人よりも1枚少ない着衣で大丈夫です。薄着を心がけてあげるとあせももできにくいです。下着のシャツもなるべく着ないほうが望ましいです。夜も綿のパジャマのみで十分です。日中は、綿のTシャツで過ごし、汗をかいたらすぐに着替えることが理想的です。こども園や学校などで下着を着るように言われている場合は、通気性の良いメッシュの下着などを選択して着させてあげましょう。
あせもだからそのうち治ると思って放置しておくと湿疹が重症化します。あせもは痒みも伴うため、スキンケアと共に治療していきましょう。皮疹がある場合は、皮膚科へ一度お越しください。
今年の夏は猛暑が予想されます。あせもにも、熱中症にも十分お気をつけて快適に楽しい夏をお過ごしください。