ニキビでお悩みの皆さんに知っておいてほしいこと
皆さんがニキビと言われて想像されるのが、赤く腫れ上がった赤ニキビ【紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)】や、膿をも持っている黄ニキビ【膿疱(のうほう)】ではないでしょうか。実際に当院にも多く受診されます。
ニキビは目に見えない毛穴の詰まりからはじまります。【微小面ぽう(びしょうめんぽう)】毛穴の詰まりの主な原因は、「ホルモンバランスなどにより毛穴の中の油分が増え、毛穴の出口が詰まること」により始まります。
この結果、毛穴の中に皮膚の角質や皮脂が溜まり続け、ニキビが目に見えるようになります。これが白ニキビ[毛穴が閉じていて、白っぽく見えるタイプ]、黒ニキビ[毛穴が開いていて、毛穴の汚れが黒く見えるタイプ]の状態です。
ここにアクネ菌が増殖すると、炎症が起こり膿(うみ)を持ち、赤く腫れた状態である赤ニキビになります。この炎症がさらに悪化すると周囲の組織にも炎症が広がります。このまま放置しておくと、いわゆるニキビ跡と言われる状態になります。赤い跡、シミになった跡、凹んでクレーターになった跡などがあります。そのため、ニキビ跡を残さないように治療をする必要があります。
最近では赤ニキビ、白ニキビ、さらには微小面ぽうからもニキビ跡に移行することがわかっています。白ニキビの段階でも約1%、赤ニキビでは約8%が移行するため、早期に治療を開始して、ニキビ跡を防ぐ必要があります。
ニキビ治療で大切なことは、「毛穴詰まりの時点から治療を開始すること」です。
目に見えない微小面ぽうからもニキビ瘢痕になるため、お顔全体に外用治療をする必要があります。ニキビ治療薬は、刺激を伴う場合が多いため、外用治療の開始時には、刺激の出にくい外用の方法やスキンケアの方法等を説明させていただいています。ニキビ治療は外用してすぐに全てのニキビが良くなるわけではなく、また改善しても治療を中断すると再発します。特に思春期などニキビができやすい時期は継続してニキビの治療をしていただくことをおすすめしております。また、抗菌剤を用いた治療は、長期の使用で耐性菌の出現の懸念があります。皮膚の状態に応じて外用薬の変更指導を行なっていきますので、定期的に受診することで適切な治療を行うことができます。
患者さんは治療を開始後すぐに良くなると思っている方の割合が高いというデータがあります。しかし、実際は治療を継続しても、赤ニキビが落ち着いてくるのに約3ヶ月かかり、さらに赤ニキビが改善したからと治療を中断すると再びニキビが増えてきます。今あるニキビが改善しても次に出てくる新しいニキビがニキビ跡(瘢痕)にならないように外用治療は継続した方がいいでしょう。定期的な通院をしながら、まずは1年程度は外用を継続していただくと、ニキビが減少してくる方が多いです。長期間の治療になりますが、一緒に頑張っていきましょう。
ニキビ治療は外用治療の継続ももちろん大切ですが、まずは根本のニキビの原因である毛穴のつまりを作らないようにする必要があります。毛穴つまりは生活習慣で悪化します。
[悪化因子の例]
・バランスの悪い食事。野菜不足(野菜ジュースだけはNGですよ)や、1日1・2食などの偏食。
・睡眠不足(7〜8時間は最低でも睡眠を確保しましょう)
・スキンケア製品の種類(毛穴の詰まりやすい保湿剤に注意しましょう)ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品の使用をおすすめします。
・スキンケア不足(乾燥していると余分な皮脂が分泌され、ニキビの悪化因子になります)
・泡洗顔をしない(朝夕とも洗顔料を使用し洗顔をしましょう)
・リキッドファンデーションやクッションファンデーションなど油分の多い化粧品の使用(ニキビにもお肌にも良くないです)
他にもニキビの悪化因子にはいくつか挙げられます。
・便秘
・生理周期や思春期によるホルモンバランスの乱れ
・喫煙
・日焼け(紫外線はニキビの原因にも、ニキビ跡の原因にもなります。)
外用治療のみでは全てのニキビが改善するわけではありません。毛穴つまりはご自身の生活習慣の見直しで改善できます。生活習慣の見直しも治療の一環となります。ぜひ、参考にしてみてください。
ニキビで悩まれている患者さんはたくさんいらっしゃいます。ニキビとは何か理解していただき、そしてニキビができてしまった方が皮膚科での治療を安心して受けていただけるように当院ではニキビ治療の指導にとても力を入れております。
ニキビでお困りの方は是非ご相談ください。
[ニキビ治療に対する当院のこだわり]
・早く治るように適切な治療をご提案します
・初期の白ニキビ、黒ニキビからにきび瘢痕を含むニキビ跡まで全体的なニキビ治療が可能です
・ニキビを悪化させないためのスキンケアなどホームケアのご提案を行なっております
・ご希望の方はニキビ跡に対して美容(自費)治療の選択肢もあります
・ピーリングからレーザーフェイシャル、ニキビ跡(凹凸)にフラクショナルレーザーなど幅広い選択肢がありますので美容診察でご相談下さい