かすがい皮膚科

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スタッフブログ

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2021.09.17

帯状疱疹のワクチンについて

帯状疱疹ワクチンについて

 

こんにちは。今日は帯状疱疹とそのワクチンについてのお話です。

みなさんは帯状疱疹についてはご存知でしょうか。帯状疱疹は痛みをともなうことが多く辛い症状となる感染症です。

詳しい症状や対処法については、【2020.9.4のブログ】でも紹介していますので、合わせてご覧ください。

さて、帯状疱疹の原因は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)です。人が、初めてこの水痘帯状疱疹ウイルスに感染したときは、水痘いわゆる『水ぼうそう』として小児に発症します。この水痘帯状疱疹ウイルスは、空気や接触により上気道から体内に侵入します。その後体内で増殖し、皮膚に到達すると水疱を形成します。子供の頃に水ぼうそうにかかったことがある人だけでなく、かかっていても自覚がないまま、体内にウイルスが潜伏していることがあります。そのため、日本成人の約9割は体内にこのウイルスを持っていると考えられています。体内にウイルスを持ち続け、自身の免疫力の低下にともない、ウイルスの再活性化→増殖→帯状疱疹の発症となる可能性があります。免疫力の低下は、病気・加齢・疲労・ストレスなど誰にでもみられるごく日常なことによって低下してしまいます。よって、帯状疱疹は誰もがなりうる可能性があるのです。

統計では、50歳代から帯状疱疹の発症率が高くなります。50歳代、60歳代、70歳代と発症率は高くなり、80歳までに3人に1人が帯状疱疹になると言われています。どの年代でもなりうる可能性があるのですが、帯状疱疹になる方の約7割が50歳以上です。

日々の皮膚科診療においても珍しくない病気ですが、ワクチンによって予防することが可能です。そのワクチンについてもお伝えしたいと思います。

帯状疱疹に対するワクチンは現在2種類あります。どちらも発症率が高くなる、50歳から接種の対象となります。また、帯状疱疹の既往歴があっても摂取できます。

 

○乾燥弱毒性水痘ワクチン『ビケン』

弱毒化された生きたウイルスが含まれており、小児に使用する水痘ワクチンと同じです。2016年より帯状疱疹予防として許可されています。

・接種回数は1回

・皮下注射

・予防効果は50〜60%

・持続期間は5年程度

・金額8,800円

・禁忌:化学療法、ステロイド(注射剤・経口剤)、免疫抑制剤など免疫を抑える治療をしている方

HIV感染など免疫力が落ちている方

水痘ワクチンで強いアレルギー反応を起こしたことがある方

抗生剤(カナマイシン・エリスロマイシン)にアレルギー反応を起こしたことがある方

明らかに妊娠している方

・副反応は接種部位の疼痛、腫脹、稀に接種後1〜3週間後に発熱や2〜3%に水痘様の発疹がみられることがあります。

 

○『シングリックス®︎』

帯状疱疹を予防するために独自に開発されたワクチンで、サブユニットワクチンという種類のものです。不活化ワクチンの一つであり、免疫の産生に関わる特定の

抗原部位のみを用いてつくられたワクチンです。生ワクチンではありません。

・回数は2回(2ヶ月あけて6ヶ月までに2回目を接種)

・筋肉注射

・予防効果は90%以上

・持続期間は10年以上

・金額22,000円/回(2回接種で44,000円)

・不活化ワクチンのため、免疫が低下している方にも接種可能

・禁忌:明らかな発熱がある方

重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方

本剤の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある方

・副反応は注射部位の疼痛78%、発熱18%、発赤38%、腫脹26%。全身性の筋肉痛40%、疲労感39%、頭痛33%、胃腸症状13%、アナフィラキシーショックです。

 

 

(なお上記の禁忌のほかに、以下に当てはまる方は「慎重に」投与する方になります。)

・心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患がある方

・予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方

・本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある方

・過去に痙攣をしたことがある方

・過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症等の者がいる方

・血小板減少症や凝固障害を有する者、抗凝固療法を施行している方

 

以上のように、帯状疱疹予防のワクチンは2種類あります。

当院で接種される方の多くは、友人や職場の同僚が症状に苦しんでいる姿を見てワクチンをご希望される方が増えています。

ワクチンの接種をご希望の方は、ご相談ください。内服をしておられる方はお薬手帳をご持参ください。

 

 

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