5月になり、お庭やベランダでのガーデニングやお散歩などをしやすい気候になりましたね。
屋外で活動する時に、日焼け以外にも注意したいのが虫刺されです。
皮膚炎を引き起こす原因となる主な虫としては「吸血する虫」としては蚊・ブユ・アブ・ノミ・トコジラミ、「刺す虫」としてはハチ、「咬む虫」としてはクモ・ムカデ、「触れることで皮膚炎を起こす虫」としては有毒のケムシが挙げられます。

虫が皮膚を刺したり咬んだりしたときには、虫が持っている毒成分・唾液成分が抗原（アレルゲン）となり体の中の抗体と反応し、ヒスタミンなどのかゆみの原因物質が分泌されてかゆみや炎症などの皮膚炎を引き起こします。つまり多くの虫刺されでみられる「かゆみ」は、虫の毒成分に対するアレルギー反応の一部です。

虫に刺されたときに起こる症状は、虫の種類や刺された人の体質などにより紅斑・じんましん・ショックといった症状がすぐに出る場合（即時型反応）と、紅斑・丘疹・水ぶくれ・が１～2日後に出る場合（遅延型反応）とがあります。また、虫の種類によって症状の現れ方が違いますが、共通するのはかゆみや赤みを伴う腫れです。

虫刺されで、一番多いのは「蚊、ノミ、ダニ」によるものです。 蚊にさされると、かゆみを伴った紅斑が現れます。
ペットを飼っている場合は、ノミに刺される事もあります。ノミに刺された場合もかゆみと紅斑、丘疹が現れ、まれに皮膚に出血点が現れたり、水ぶくれを起こす事もあります。
ダニに刺されると、太ももや下腹部などの皮膚の柔らかい部分にポツポツと、かゆみのある赤い丘疹がみられます。時には、激しいかゆみをともなって、水ぶくれになる事もあります。

ハチに刺されると、まず激しい痛みが出現し、赤く腫れます。これはハチ毒の刺激作用によるもので、初めて刺された場合、通常は1日以内に症状は治まります。しかし、2回目以降はハチ毒に対するアレルギー反応が加わるため、刺された直後からジンマシンを生じたり、刺されて1～2日で強い赤み、腫れを生じたりします。この反応には個人差が大きいですが、ひどい場合は刺されて30分～1時間で意識消失や血圧低下などを生じて、死に至ることがあります。これはアナフィラキシーショックと呼ばれる症状で、ハチ刺されによる死亡事故はこの特殊なアレルギー反応によるものです。
刺された場合はできれば局所を冷やし、近くの病院へ受診してください。アナフィラキシーショックの場合は救急車を呼んでください。特に全身症状もなく元気な様子でも、あとで腫れてくる人もいますので医師の診察を受けてください。
虫に刺されたら刺された部位をむやみに触らず、流水で洗うなどして清潔にしましょう。かゆみが強い時は患部を冷たいタオルなどで冷やすのがおすすめです。
特にお子様の場合、かゆくて患部をかき壊すことで「とびひ」になる場合もあるのでご注意ください。

虫刺されを予防するためには、次のような事に気を付けましょう。
●長袖、長ズボンを着用する
アウトドアでの活動や庭仕事の場合、虫刺されを防ぐには、まず服装に気を配ってください。
長袖、長ズボンなどを着用し、できる限り肌を露出させない工夫をしましょう。
また、蜂は黒いものに反応する性質があります。野外では、黒い色の服は避けるのが無難です。
●虫よけ剤（忌避剤）の使用
市販の虫よけ剤は手や足などにスプレーする他、シール類もあります。服の上からスプレーをしておくのも良いでしょう。（ただし、衣類によっては、変質、変色するものもあるので注意）。汗で流れ落ちてしまった場合は、再度スプレーしておきましょう。
●網戸を利用する
室内ではなるべく目の細かい網戸を利用して、虫の侵入を防ぎましょう。
●香水や整髪料を控える
香水や整髪料の匂いは、スズメバチを刺激します。野外では、香水や整髪用を控えるようにしましょう。
虫に対する対策をしっかり行い、安全な夏を過ごしましょう。
※一部皮膚科学会HPより引用しています。