■接触皮膚炎とは？発症のメカニズムを皮膚科専門医が解説

「なぜ特定のものに触れると肌荒れするのだろう」と疑問に思われる方は多くいらっしゃいます。
接触皮膚炎は、外部の物質が皮膚に接触することで生じる炎症性の皮膚疾患です。

接触皮膚炎には大きく分けて2種類のメカニズムがあります。
1つ目は「刺激性接触皮膚炎」で、強い酸やアルカリ、洗剤などの刺激物質が皮膚のバリア機能を直接破壊して炎症を引き起こします。
この場合、誰でも発症する可能性があります。

2つ目は「アレルギー性接触皮膚炎」で、特定の物質に対して免疫システムが過剰反応することで発症します。

日本皮膚科学会の報告によると、皮膚科外来を受診する患者の約5〜10%が接触皮膚炎と診断されており、非常に身近な皮膚疾患といえます。

■接触皮膚炎の原因となる物質｜豊田市の皮膚科で多い症例
「何が原因で肌荒れしたのかわからない」というご相談は、豊田市のかすがい皮膚科でも多く寄せられます。
接触皮膚炎の原因物質は非常に多岐にわたります。

〇日常生活で接触しやすい原因物質
代表的な原因物質として、金属類（ニッケル・クロム・コバルト）、化粧品・スキンケア製品に含まれる香料や防腐剤、ゴム製品に使用される化学物質、植物（うるし・イチョウ・プリムラ）などが挙げられます。
厚生労働省の調査では、職業性皮膚疾患の約90%以上を接触皮膚炎が占めており、製造業が盛んな豊田市では機械油や金属加工液による接触皮膚炎の症例も見られます。原因物質の特定には皮膚科でのパッチテストが有効です。

■接触皮膚炎の症状｜放置するとどうなる？
「少しかゆいだけだから様子を見よう」と考えていませんか？接触皮膚炎の症状を正しく理解することが早期治療につながります。

〇主な症状と進行パターン
接触皮膚炎の典型的な症状は、発赤（赤み）、かゆみ、腫れ、水疱、皮膚の乾燥やひび割れです。
症状は原因物質に触れた部位に限局して現れることが特徴で、手や顔、首など露出部に多く発症します。

〇放置した場合のリスク
接触皮膚炎を放置すると、慢性化して皮膚が厚く硬くなる「苔癬化」を起こしたり、掻きむしることで細菌感染を併発する危険性があります。
また、色素沈着が残る場合もあるため、豊田市のかすがい皮膚科への早めの受診をおすすめします。

■接触皮膚炎の治療法と予防｜豊田市のかすがい皮膚科での治療
「どんな治療を受けられるのか知りたい」という方のために、接触皮膚炎の治療と予防について解説いたします。

〇保険診療による治療
接触皮膚炎の治療は基本的に保険診療で行われます。
治療の中心はステロイド外用薬による炎症の抑制で、症状の程度に応じて強さを調整します。
強いかゆみがある場合は抗ヒスタミン薬の内服を併用します。保険診療のメリットは費用負担が少なく、医学的根拠に基づいた標準治療を受けられる点です。

〇治療後の経過と注意点
適切な治療を受ければ、多くの場合1〜2週間程度で症状が改善します。
ただし、原因物質との接触を避けなければ再発を繰り返すため、原因を特定し、その物質を避ける生活指導も重要な治療の一環です。

〇予防のポイント
予防の基本は原因物質との接触を避けることです。
手袋の着用、低刺激性の製品への切り替え、皮膚バリア機能を保つ保湿ケアが効果的です。

豊田市で接触皮膚炎にお悩みの方へ
接触皮膚炎は原因を特定し適切な治療を行えば改善が見込める疾患です。

「たかが肌荒れ」と放置せず、気になる症状があれば豊田市のかすがい皮膚科を受診してください。
当院では丁寧な問診とパッチテストにより原因を特定し、患者様一人ひとりに合った治療をご提案いたします。お気軽にご相談ください。