※上記症例以外も皮膚に関するお悩みは
お気軽にご相談ください。
円形脱毛症とは、円形や楕円形の脱毛班が突然生じる疾患です。
一般的には、頭部の一部分に10円玉ほどの大きさで脱毛班が生じることから「10円はげ」というような呼び方をされる場合もありますが、円形脱毛症は頭部だけに限らず、眉毛や髭などの部分にも発症します。また、症状が悪化した場合は円形ではなく頭部全体に広がる場合もあります。
円形脱毛症の発症には様々な要因が影響する考えられており、明確な原因はまだ解明されていませんが、大きく分けて下記3つの要因が挙げられます。
近年で最も有力だと考えられています。本来、外的から自身を守るために活動するリンパ球という細胞が、誤って自身の身体の一部を異物と捉えて、攻撃してしまうことで円形脱毛症を発症します。
円形脱毛症患者の40%以上がアトピー素因を持っている方であることが判明しており、半数以上の方が本人もしくは家族にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を抱えていると言われています。そのため、円形脱毛症とアトピー素因には深い関連性があると考えられています。
円形脱毛症を発症する要因として、遺伝的要素も関係しているとされています。親等が近いほど遺伝する可能性が高くなり、1親等内での発症率は一般と比較して10倍にもなると言われています。
その他には、女性ホルモン値の変化、ストレスなどによっても円形脱毛症は発症すると考えられています。日本における円形脱毛症の患者数は人口の2%、国内では200万人にも及ぶと言われています。
円形脱毛症は5タイプに分類されます。
・単発型(丸い円の形で脱毛班ができる一般的なタイプ)
・多発型(円形脱毛症が2か所以上で発症するタイプ)
・蛇行型(脱毛班が蛇のように細長く広がる場合)
・全頭型(頭部全体に広がり、髪が抜け落ちてしまう場合)
・汎発型(頭髪などの一部分だけではなく、全身全ての毛が抜け落ちてしまう場合)
症状によって進行度や重症度は異なりますが、基本的には脱毛巣が全体の25%以上だった場合、重症例と考えます。
一度治った後でも再発するケースもあるため、早めの対応が非常に重要になっています。
円形脱毛症は身体的な痛みはないですが、「見た目」に影響が出るため精神的に辛い疾患です。
子どもから大人まで誰しもが発症しうる疾患ですが、世間一般では精神的ストレスから発症すると思っている方も多いため、自分自身のメンタルの弱さを責めてしまう、恥ずかしいから周りの人に知られたくないといった方が多く、生活面に支障が出るケースもあります。
・何の兆候もなく突然脱毛が始まった。
・頭部に地肌が見えるところがある。
・爪に小さなでこぼこがある。
・脱毛斑が円形または楕円形であり、境界が比較的はっきりしている。
・朝起きた時、枕に抜けた毛が数本以上見られる。
・脱毛斑の周囲の毛を引っ張ると簡単に抜け、痛みもほとんどない。
・抜けた髪の毛の毛根の部分が、細く尖った状態である。
・脱毛斑が広がってきた。
当院では様々な悩みを抱えた患者さんが来院されます。
上記のような症状が出ている場合や、少しでも気になる場合はお気軽にご相談ください。
【当院の円形脱毛症治療】
単発型や多発型の症状をお持ちの方には、まずステロイドを内服薬や外用薬で使用して治療していきます。本人の負担が少ない一般的な治療法です。
当院では、円形脱毛症の治療に紫外線療法を推奨しています。
紫外線療法は、身体に有毒でない紫外線領域内の特定の波長のみを用いて患部に照射する治療法で、主に自己免疫の過剰反応を起こす疾患に対して免疫抑制作用を促します。
そのため、円形脱毛症以外にアトピー性皮膚炎や白斑などの自己免疫の異常で発症する疾患に対して高い治療効果が期待できます。
紫外線療法は照射時に痛みなどもなく、安全性やエビデンスも数多くある治療法です。
今までは、重度の円形脱毛症を発症している方に対して有効とされる治療がなく、ステロイドの局所注射や紫外線療法、保険適応のない局所免疫療法などを行っていました。
そのような中、2022年6月に難治性、広範囲の円形脱毛症に対して経口JAK阻害薬のオルミエント®(バリシチニブ)が承認され、2023年9月には経口JAK阻害薬の新薬リットフーロ®(リトレシチニブ)も承認を受けました。
どちらも、頭部全体の50%以上に脱毛班があり、過去6ヵ月間毛髪に自然再生が認められない患者さんに限り使用が認められます。
●オルミエント®(バリシチニブ)
・15歳以上の方が適応
・投与初期は保険が3割負担の患者さんで、1ヶ月に44,000円程度自己負担
・高額療養費制度適応
・事前の採血とレントゲン検査、定期的な採血が必要
●リットフーロ®(リトレシチニブ)
・12歳以上の方が適応
・1カプセルあたり約5,802円で1ヶ月服用(30日換算・3割負担の方)すると、1日1カプセルの服用で薬剤の自己負担額は約52,221円
※新薬は1年目は14日分を限度として投与することとされていますので、1回の診察につき14カプセルの処方が上限
・高額療養費制度適応
・事前の採血とレントゲン検査、定期的な採血が必要
経口JAK阻害薬を難治性円形脱毛症に使用するためには、皮膚科学会に届出を行う必要があり、当院では既に届け出が受理されております。
当院では、安全性と効果が証明された新しい治療薬を積極的に導入しております。
皮膚疾患でお悩みの方に様々な治療選択肢をご提案できるように、そして重症度の高い皮膚疾患の患者さんを一人でも多く救うことができるようにと考えております。
円形脱毛症でお困りの方は、愛知県豊田市かすがい皮膚科までお越しください。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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9:30~12:30 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - |
14:30~18:00 | ● | ● | - | ● | ● | - | - |
【休診日】水曜日・土曜午後・日祝日
直接来院での受付時間は午前は9時15分~12時30分、午後は14時15分~17時です。
土曜日と平日の16時以降は混雑致しますのでご了承ください。
また平日16時以降は医師1名での診察となります。
※木曜日は最終受付を17:00から17:30までと30分延長させていただきます。